「いのちのパレード」ー奇想短編シリーズ

Category: あ行の作家 > ・恩田陸   Tags: 恩田陸  


恩田陸さんの「いのちのパレード」


なんとも不思議な物語。


それぞれの物語の色は、まるで違うのだけれど
香りは同じ!?
恩田ワールドの豊潤な香りを漂わせた
15篇の扉を開けてみましょう。


「観光旅行」
*妻は以前からその村に行ってみたいと思っていたようだが、
 私の仕事が忙しかったため、
 なかなか言い出せなかったらしい。 

「スペインの苔」
*彼女とスペインの苔との関わりを説明するためには、
 彼女のロボットのことから始める必要があるだろう。

「蝶遣いと春、そして夏」
*春は死者の季節である。
 長い冬を耐え、水が温み、
 木々の芽が柔らかく綻ぶ頃を迎えて、
 ようやく死者が咲き乱れる季節がやってきたのだ。

「橋」
*シケモク拾いも、もう飽きた。
 アケミがそう思った時、
 彼女がその場所に配属されて既に三ヶ月が経過していた。

「蛇と虹」
*ああ、ねえさん、血のような夕陽が沈むわ。
 あたしたち、あんな色、生涯で二度しか見ていない。

「夕飯は七時」
*我が家では、夕飯はいつも七時だ。 
 もちろん、僕らは夕飯まで暇だから、外で遊んだり
 仲良く宿題をしたりする。

「隙間」
*彼は幼い頃から隙間を恐れていた。
 いつからそうだったのかは分からないが、
 最初の記憶は、自分が裏庭の納屋の、
 ほんの少し開いている扉を離れたところから
 じっと見つめているところである。

「当籤者」
*その何の変哲もない封筒を開けて中の便箋を開くと、
 印刷された文章が目に飛び込んできた。

「かたつむり注意報」
*誰かがドアを開け、低く何かを叫んだ。
 すると、店の中にいた客たちは俄に顔を曇らせ、
 ヒソヒソと互いに言葉を交わし始めた。
 それまでの和やかな空気が一変して、不穏な雰囲気になる。

「あなたの善良なる教え子より」
*先生、お元気でいらっしゃいますか。
 ご無沙汰しております。
 あなたの教え子であることを、
 誰よりも誇りとしている者でございます。
 
「エンドマークまでご一緒に」
*明るい春の朝、
 本編の主人公であるフレッド君は目を覚ました。
 朝が来たことは、いやでも分かる。カーテンがサッと開いて、
 オーケストラの大音響が流れてきたからだ。

「走り続けよ、ひとすじの煙となるまで」
*車輪は怒号を上げ、呪詛を吐きながらも回り続けていた。
 巨大な車輪は、休むことを知らず、鉄路に歯を立て、
 噛み付き、むしゃぶりつく。

「SUGOROKU」
*夕暮れの鐘が鳴ります。
 いつもながら、ゆったりと厳かな、そしてどこか不吉な音色。
 今日も一日のおつとめが終ったのです。

「いのちのパレード」
*歩いてくる。みんな一斉に、こっちに向かって歩いてくる。
 すごい眺めじゃないか。
 この世に暮らす、ありとあらゆる動物が歩いてくる。

「夜想曲」
*夜はまだ浅く、闇もまだ浅い。
 賑やかではあるが、心休まる虫の声が響き、
 夏に向けて着々と葉を繁らせる木々の
 甘い香りがゆったりと空間を満たしている。


以上、導入の文章を記しましたが
表題作の「いのちのパレード」の導入文に
一番心惹かれました。
短い文章なのに
動物達の歩く壮大なパレードを目の当たりにしているようで…
恩田さん、いつもながら凄いです。



いのちのパレード BOOK

内容(「BOOK」データベースより)

あちこちから指や手の形をした巨岩が飛び出す奇妙な村に、
妻と私はやって来た(『観光旅行』)。

主人公フレッドくんが起き抜けから歌うのは、
ミュージカルだから(『エンドマークまでご一緒に』)。

「上が」ってこの町を出るために、
今日も少女たちはお告げを受ける(『SUGOROKU』)。

小説のあらゆるジャンルに越境し、
クレイジーで壮大なイマジネーションが跋扈する
恩田マジック15編。




小説版「アメージング・ストーリー」or「トワイライトゾーン」
もしくは「世にも奇妙な物語」…!?
マンハッタントランスファの「トワイライトゾーン」が
頭に響いてきて(かなり古い…^_^;)
不思議な世界へと、読者を導いてくれます。

本書のテーマ音楽のイメージは
「世にも奇妙な物語」のメインテーマ 
ガラモンソングではないんですよ
この曲だとミステリー&不安感が強すぎて…

「トワイライトゾーン」の方が
怖いもの見たさ?のような雰囲気あって
本書に合っているような気がしました♪


巨岩の手や足が生えてくる村へ行ってみませんか?
「観光旅行」を読んだ時、
イースター島のモアイ像が浮かんできたのですが
いきなり家の中にモアイ像が生えてきたら怖いですよー(>_<)
巨岩手足も、もちろん怖いです^_^;


さらりと読める物語もありますが
よく考えてみると怖い…
後から徐々に不安が滲み出てくるような
そんな物語集でした。






テーマ : 読んだ本の紹介    ジャンル : 本・雑誌
 2014_06_06


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