上田秀人さんの「維新始末」
天下総攬の危機、
頼れるのは己の剣一つ

老中・水野忠邦による天保の改革から二十年。
黒船来航以降、恐慌を来す江戸の町を、
勤王の志士を騙る剣呑な浪人たちが跋扈するようになっていた。
さらにその黒幕には、薩摩藩の巨魁の影が…。
失われた秩序を取り戻すべく、我らが榊扇太郎が
江戸の顔役たちとともに立ち上がる!
NHKの大河ドラマ『西郷どん』と時代が重なるので
テレビとの違いを感じながら読みました
大河では西郷隆盛が主役なので
薩摩中心に物語が進みますが
本書「維新始末」では徳川幕府の貧乏御家人
元闕所物奉行榊扇太郎が主人公なので
薩摩藩士は幕府の敵として登場している
榊扇太郎視点で見ると薩摩は悪者に
維新のまっただ中の江戸の人々の暮らしが
いかに振り回され混乱していたかを
感じさせる物語でした。
ただ本書は『闕所物奉行 裏帳合シリーズ』の最終巻
私は一冊長編読み切りだと思い込み本書を読んだので
少々もったいなかったかな!?
前シリーズから通して読んでいたら
もっと登場人物への感情移入が出来たかも!?