磯田道史さんの「無私の日本人」


私たちの知らない
強く美しい日本人がいた

『武士の家計簿』から九年
歴史家・磯田道史が発見した素晴らしき人々

穀田屋十三郎
中根東里
太田垣連月
江戸時代を生きた三人の傑作評伝
~「帯紙」より~


無私の日本人

貧しい宿場町の行く末を
心底から憂う商人・穀田屋十三郎が同志と出会い、
心願成就のためには
自らの破産も一家離散も辞さない決意を固めた時、
奇跡への道は開かれた―
無名の、ふつうの江戸人に宿っていた深い哲学と、
中根東里、大田垣蓮月ら三人の生きざまを通して
「日本人の幸福」を発見した感動の傑作評伝。


映画「殿、利息でござる!」を観て面白かったので
是非読まなくては!と思い、図書館で借りて読みました。

※映画「殿、利息でござる!」の過去記事はコチラ
                    ↓
http://bookmusicmovie.blog.fc2.com/blog-entry-812.html


映画では『穀田屋十三郎』の話のみが描かれており
『中根東里』と『太田垣連月』には触れていません。

中根東里は江戸時代の天才詩人
「詩文において中根にかなうものはおらぬ」と言われたが
これほどの天才が世に知られなかったのは、
みずからつくった文章を、こと ごとく竈の火の中に投じ
ほとんどの作品が残っていないから
東里は最後まで村儒者として生きた。

大田垣蓮月は、江戸後期の尼僧・歌人・陶芸家。
絶世の美女であった蓮月だが
十代で結婚し3人の子を授かるも
幼くして次々に亡くなり、夫も病死してしまう。
20代に再婚するが幸せだった日々も束の間
またもや夫と娘を亡くす。
出家した後、生計のために和歌と陶芸を学び直し
自作の歌を陶器に刻むという、
和歌と陶芸を融合した作品を作る。

江戸時代を無私無欲で生きた3人
正しく“無私の日本人”でした!


あとがきにも記されていましたが
磯田さんが本書を執筆するきっかけが興味深い

差出人・三橋正穎さんから届いた手紙
でも差出人に心あたりはなかった。
「自分は、東北は仙台のちかく『吉岡』というところに住んでいる者である。
先生の『武士の家計簿』を読み映画もみた。
実は、自分の住む吉岡には、こんな話が伝わっている。
~中略~
吉田勝吉という人がこの話を調べて『国恩記覚』という資料集にまとめている。
磯田先生に頼みたい。どうかこの話を本に書いて、後世につたえてくれないか」
『国恩記覚』を元に、本書「無私の日本人」を出版し、映画にまでなった。
三橋正穎さんと吉田勝吉さんの強い思いがなければ
歴史の中に埋もれたままになっていたかもしれない
そんな貴重な話を掘り起こし調べた上
作品にして届けてくれた磯田道史さんに感謝です。
素晴らしいお話でした。





テーマ : 最近読んだ本    ジャンル : 本・雑誌
 2017_03_29




山田洋二監督映画「母と暮せば」


小説家・劇作家の井上ひさしさんが、
広島を舞台にした自身の戯曲「父と暮せば」と対になる作品として
実現を願いながらもかなわなかった物語を、
日本映画界を代表する名匠・山田洋次監督が映画化。


母と暮せば MOVIE

1948年8月9日。
長崎で助産婦をして暮らす伸子の前に、
3年前に原爆で亡くしたはずの息子・浩二がひょっこり現れる。
「母さんは諦めが悪いからなかなか出てこれられなかったんだよ」。
その日から、浩二は時々伸子の前に現れるようになる。
二人はたくさんの話をするが、
一番の関心は浩二の恋人・町子のことだった。
「いつかあの子の幸せも考えなきゃね」。
そんなふたりの時間は、奇妙だったけれど、楽しかった。
その幸せは永遠に続くようにみえた―。



製作年/2015年
上映時間/130分


監督/山田洋次
音楽/坂本龍一
脚本/山田洋次・平松恵美子
撮影/近森眞史
美術/出川三男


(CAST)
福原伸子/吉永小百合
福原浩二/二宮和也
佐多町子/黒木華
黒田/浅野忠信
上海のおじさん/加藤健一
富江/広岡由里子
民子/本田望結
復員局の職員/小林稔侍
川上教授/橋爪功


二宮和也さんと黒木華さんが良かったです。
ただ映画の余韻を楽しむことが出来なかったのが少々残念…
描き過ぎというのか…台詞も演出も過多のような?
それに母役の吉永小百合さんが
吉永小百合さんにしか見えず…^_^;
『父と暮せば』で感じた感動が
本作ではあまり感じられなかった
期待が大き過ぎたからなのかな?

坂本龍一さんの音楽は素晴らしかったです。


インクの瓶が一瞬にして溶けてしまう
原爆投下瞬間の描かれ方に絶句
原爆投下後の悲惨なシーンを一切描くことなく
その悲惨さを伝えていた
それだけで爆心地の長崎がどうなったのか
想像することができ…さすが山田監督ですね。




テーマ : 邦画    ジャンル : 映画
 2017_03_23




佐藤浩市さん主演映画「起終点駅 ターミナル」


学生時代の恋人の自殺で、
すべてのものを捨てて生きてきた弁護士。
偶然に弁護を担当した女性との出会いが彼の人生を変える。
佐藤浩市と本田翼が共演した人間ドラマ。


ターミナル MOVIE

旭川で裁判官として働く鷲田の前に、
学生時代の恋人・冴子が被告として現われる。
執行猶予付きの判決を与えた後、
鷲田は彼女と逢瀬を重ねるが、
冴子は鷲田の想いに応えることなく自ら命を断つ。
25年後、鷲田は誰とも関わることなく、
釧路で国選弁護の仕事だけを受ける
弁護士としてひっそりと生きていた。
そんなある日、彼が弁護を担当した若い女性の敦子が
鷲田の自宅を訪ねてきて、
ある人を捜してほしいと依頼するが……。


制作年/2015
内容時間/112分


監督/篠原哲雄
脚本/長谷川康夫
撮影/喜久村徳章
音楽/小林武史


(CAST)
鷲田完治/佐藤浩市
椎名敦子/本田翼
大下一龍/中村獅童
森山卓士/和田正人
大村真一/音尾琢真
南達三/泉谷しげる
結城冴子/尾野真千子



W座からの招待状 「起終点駅 ターミナル」(2017年3月5日OA)
録画していたのですがやっと観ることができました。

『W座からの招待状』で小山薫堂さんと
番組の案内人をされていた長友啓典さん
とても味のあるイラストで番組に華を添え
小山薫堂さんとの楽しい語りが毎回楽しみでした。
「起終点駅 ターミナル」では長友さんではなく
阿部海太郎さんが出演されていたので
どしたのかな?と思っていたらテロップが…
※「W座からの招待状」の案内人で
イラストレーターの長友啓典さんが
3月4日にお亡くなりになりました。

長友さんが『W座からの招待状』をお休みされていたので
気になり心配しておりましたが…
長友さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。




テーマ : 邦画    ジャンル : 映画
 2017_03_22




映画「グロリア1999」


名匠ジョン・カサヴェテス監督の
同名ハードボイルド映画を1999年にリメイク。


グロリア1999

犯罪組織のボスである恋人をかばって
3年間刑務所に服役した後、
NYにいる彼のもとに戻ってきたグロリア。
だが恋人にすっかり裏切られていたことを知った彼女は、
偶然組織に監禁されていた少年ニッキーを連れて逃亡を図ることに。
組織の会計士だったニッキーの父親は、
組織の秘密を外部に漏らそうとしたため、
ニッキー以外一家全員が惨殺されていた。
必死の逃避行を続ける2人は
やがて組織に対して捨て身の反撃を試みるが……。


原題/Gloria
制作年/1999
制作国/アメリカ
内容時間/108分


監督/シドニー・ルメット
製作/ゲーリー・フォスター
製作/リー・リッチ
脚本/スティーヴ・アンティン
撮影/デヴィッド・ワトキン
音楽/ハワード・ショア


(CAST)
グロリア/シャロン・ストーン
ケヴィン/ジェレミー・ノーザム
ニッキー/ジーン・ルーク・フィゲロア
ダイアン/キャシー・モリアーティ
ルビー/ジョージ・C・スコット
ショーン/マイク・スター



グロリア

本作「グロリア1991」は、
ジョン・カサヴェテス監督、ジーナ・ローランズ主演の
1980年の映画『グロリア』のリメイクです。
なのでカサヴェテス版を上映当時に観た私の感想は
グロリアが若くてキレイ!
(ジーナ・ローランズ⇒シャロン・ストーン)ですからね^_^;
それにジーナはシャロンより貫録もあった!

リメイクはどうしてもオリジナルと比べてしまうので
先入観なしで観るのは難しい・・・
比べることを前提に割り切って観ると楽しめるのかも!?
違いを楽しみましょ~う(^_-)-☆




テーマ : 洋画    ジャンル : 映画
 2017_03_20




大泉洋主演映画「アイアムアヒーロー」


ゾンビが人間を襲いだした世界で
悪戦苦闘する漫画家に大泉洋さんが扮した
2016年公開の話題作。
花沢健吾さんの人気漫画が原作。


アイアムアヒーロー MOVIE

35歳の売れない漫画家で、
今は同業者・松尾のアシスタントをしている英雄は、
クレー射撃を趣味にしている。
全国で謎の新型ウイルスへの感染が流行する中、
ある日突然、英雄は破局寸前の恋人てっこに
噛み付かれそうになる。
てっこはウイルスに感染し、ゾンビとなったのだ。
職場にもゾンビが現われたため、
英雄は愛用の散弾銃を持って逃げだし、
女子高校生の比呂美と偶然同じタクシーに乗り合わせ、
都内から山梨に脱出するが……。


制作年/2016
内容時間/127分


(CAST)
鈴木英雄/大泉洋
早狩比呂美/有村架純
藪/長澤まさみ
伊浦/吉沢悠
サンゴ/岡田義徳
てっこ/片瀬那奈
中田コロリ/片桐仁
松尾/マキタスポーツ
三谷/塚地武雅

監督/佐藤信介
脚本/野木亜紀子
撮影/河津太郎
音楽/ニマ・ファクララ
特殊メーク/藤原カクセイ



花沢健吾さん原作漫画『アイアムアヒーロー』

アイアムアヒーロー 漫画

冴えない漫画家が暮らす日本は突如、
ZQN(ゾキュン)と呼ばれるゾンビに埋め尽くされ、
クレー射撃を趣味とする漫画家は散弾銃を手に逃亡するが……。



「アイアムアヒーロー」かなりグロテスクで
ショッキングな映画でしたが
大泉洋さんが演じている英雄のキャラが
映画のグロさまでをも笑いに変え!?意外に観易かったです(^^)
(お笑い映画ではないけれど大泉さんがいるだけで笑える!?)
原作は読んでいませんが…
大泉さん嵌まり役でしたね(^_-)-☆

ヒロイン役の有村架純さんも良かったのですが
片瀬那奈さんのゾンビっぷりに拍手!!
片瀬さんの登場シーンはしょっぱなだけですが
このシーンを見て大丈夫!と確信して
最後まで観ることができました(^_^)v




テーマ : 邦画    ジャンル : 映画
 2017_03_19




海堂尊さんの「スリジエセンター1991」


天才外科医による「革命」の行方は?
“招かれざる異端児”を襲う
アクシデントと張り巡らされた陰謀――。

メディカル・エンターテインメントの真骨頂!
「ブラックペアン」シリーズ、ついに完結!!
~『帯紙』より~



スリジエセンター1991

手術を受けたいなら全財産の半分を差し出せと放言する
天才外科医・天城は、東城大学医学部での
スリジエ・ハートセンター設立資金捻出のため、
ウエスギ・モーターズ会長の公開手術を目論む。
だが、佐伯教授の急進的な病院改革を
危惧する者たちが抵抗勢力として動き始めた。
桜宮に永遠に咲き続ける「さくら」を植えるという
天城と世良の夢の行く末は?



本を読みながら久々に号泣してしまいました。
ネタバレになるので詳しくは記せませんが
私の今までの号泣度でいえば!?
萩尾望都さんの漫画『エディス』でのアランのラストや
吉田秋生さんの漫画『バナナフィッシュ』でのアッシュのラスト
その二作品に次ぐ号泣度といえば伝わるかしら?
いや、これじゃ伝わらないですね・・・^_^;


世良先生のその後は『極北クレイマー』を読んでいたので
知っているはずですが・・・あまり憶えていない^_^;
『極北ラプソディー』は未読なので
世良先生のその後を確認する為にも是非読まなくては!


私としてはめずらしく?
『ブラックペアン』シリーズは出版順に読みました。
出版順で読み大正解です!!
読む順番がバラバラだと面白さが半減するのでもったいない!
未読でこれから読まれる方は
『ブラックペアン1988』『ブレイズメス1990』
「スリジエセンター1991」の順で読むことをお薦めします。


「スリジエセンター1991」でも
バチスタシリーズと同じ人物がどんどん登場します。
若かりし頃のジェネラル速水をはじめ
『チーム・バチスタ』の桐生や垣谷etc…
海堂作品は何かしら繋がりがあるので
間違い探しならぬ同じ人探し?でも楽しめました(^_-)-☆




テーマ : 最近読んだ本    ジャンル : 本・雑誌
 2017_03_18




海堂尊さんの「ブレイズメス1990」


大学病院にまた革命児が!
外科研修医世良の任務は
モナコから天才外科医天城を連れ帰ること。
東城大病院は大荒れとなり
日本初の公開手術の結果は!?
~「帯紙」より~



プレイズメス1990

会議室がふたたび喧しくなる。
患者に賭けをさせるなんて、とか、
財産の半分を取り上げるなんて許せない、
という抗議が口々になされる中、
天城は平然と話を続けた。
「目的は、患者からカネをむしりとることにはありません。
ルーレットに勝つかどうかで、患者の天運を量るのです。
私は患者の財産の半分を頂戴するが、
それはすべて天に預けてある。
私個人は治療費を一切受け取らず、
グラン・カジノで基金として運用しているんです」
――<本文より>




本書「ブレイズメス1990」は
以前読んだ『ブラックペアン1988』の続編にあたり
こちらでも主人公は世良先生です。

バチスタシリーズetcの登場人物達が!
高階病院長は講師として登場!
不定愁訴外来の藤原看護婦も
本書ではまだ現役バリバリの藤原婦長です。
他にも、看護婦の猫田や花房も器械出しで
天城先生の公開手術のスタッフに抜擢され
お馴染みのメンバーが続々と登場する!
でも田口先生や白鳥は登場しませんけどね^_^;

新登場の天才外科医天城先生は
しょっぱなからぶっ飛びすぎ!
なかなかの面白キャラで
世良先生は天城先生に振り回されっぱなし!

ちなみに『ブラックペアン1988』
「ブレイズメス1990」『スリジエセンター1991』
作者の海堂さんは「バブル三部作」としているとのこと
なので『スリジエセンター1991』も続けて読みたいと思います。
世良先生はそこでも振り回されている?
楽しみ~♡





テーマ : 最近読んだ本    ジャンル : 本・雑誌
 2017_03_14




伊坂幸太郎さんの「残り全部バケーション」

人生、まだ、続いていくから。
裏稼業コンビ
「溝口」と「岡田」をめぐる全五章。
~「帯紙」より~


残り全部バケーション

人生の<小さな奇跡>の物語
夫の浮気が原因で離婚する夫婦と、その一人娘。
ひょんなことから、「家族解散前の思い出」として
〈岡田〉と名乗る男とドライブすることに──
第一章「残り全部バケーション」他、五章構成の連作集。




第一章「残り全部バケーション」
浮気をした父親のRHSにメールがきた
『適番でメールしてみました。友達になろうよ。
ドライブとか食事とか』
胡散臭いメールに、父は、母に命じられるがままに、
『友達になりましょう。こちらは、四十七歳の男です。
妻四十五歳、娘十六歳も一緒ですが、
それでもいいですか?』と返信を打った。

第二章「タキオン作戦」
『ああ、おまえやられちゃってるな、これ』
すぐ後ろから声がした。
え、と雄大は慌てて、振り返る。
大人の男がしゃがみ、シャツをめくって
雄大の背中を見ていたのだ。
『溝口さん、小学生相手に何やっているんですか。
服めくって。それ、まずいですよ』
『岡田、あのな、俺分かるんだよ。自分が子供の頃
親父に暴力振るわれていたからな。』

第三章「検問」
開いたトランクの中を見下す。
『さっきの検問の警察官、これ見なかったわけねえよな』
溝口は顎を触るようにし、首を捻った。
『これはまあ、明らかに、怪しいお金ですよね』
大田も、その巨大なゴム鞠にも似た身体を揺すり、言う。

第四章「小さな兵隊」
岡田君は問題児だ。クラスの女の子が言った。
岡田君が時折、びっくりすることをやるのは確かだ。
たとえばクラスの女の子のランドセル全部に
マジックで小さくいたずら書きをしようとしたり
学校の壁に青いペンキで長方形の模様を描いたり。
海外出張中のお父さんに電話で岡田君のことを話すと
アリババと盗賊のドアにバツ印をつける話から
『岡田君がやりたかったのはそれと同じかもしれないぞ』
お父さんの推理はすごい

第五章「飛べても8分」
当たり屋に失敗して怪我をした溝口の病院に
高田は毎日見舞いに来ており
その高田に常務が電話で
『一昨日、毒島さんが狙われた』
『毒島さんは無事だったんですか』
『いなかったからな』『どこにいたんですか』
『少し前から、毒島さんは、おまえが今いる、
その病院に入院してるんだよ』


伏線を張り巡らし一気に回収する
その爽快さは伊坂ワールドならではですね。
特に第五章「飛べても8分」は
どんでん返しのどんでん返し?
読後の余韻が心地良い。
でも第四章「小さな兵隊」が一番面白い!
岡田君に惚れてしまいました(^^)
岡田君にまたどこかで会いたいですね。




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 2017_03_06




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