
かっては、肖像画が一万円札にも使用されていた聖徳太子
冠位十二階や十七条憲法を定め
中央集権国家の礎を創った聖人。
でもそれ以外は、あまり詳しくは知らなかったので
本書を読んで人間「聖徳太子」に出会えたような気がしました。
古代史の息吹に触れ
そこに自分自身が存在しているかのように
錯覚してしまうほど臨場感のある物語でした。
登場人物の名前が難しく、名前の読み方に慣れるまでは
なかなか読み進めることが出来ないかもしれませんが
それさえクリアできれば
とても読み応えのある面白い物語です。
面白いだけでなく、古代史の勉強にもなりましたよ(^_-)-☆
「聖徳太子(①)」

内容(「背表紙」より)
父・橘豊日大王(用明)の死後まもない・587年7月
14歳の厩戸皇子(聖徳太子)は
大臣蘇我馬子に請われ物部守屋討伐に従軍した。
その戦旅の間に天性の才質を現した皇子は
三年後、馬子の娘・刀自古郎女と結婚した。
馬子は蘇我氏の血を大王家に入れることにより
蘇我王朝を成立させようと夢見ていたのである。
「聖徳太子②」

内容(「背表紙」より)
蘇我馬子は、娘婿となった厩戸皇子を皇太子に立て
いずれ自分の意のままになる大王に仕立てようとする。
しかし厩戸は、傀儡大王なら大王にならなくともよい
と側近たちに明言。
馬子と対抗するために、馬子も一目置く大后(のちの推古)の娘
菟道貝蛸皇女を正妃に迎えようと決意し
開明派の豪族たちと結びはじめた。
「聖徳太子③」

内容(「背表紙」より)
大臣蘇我馬子は、泊瀬部大王(崇峻)を次第に軽んじる。
厩戸皇子は、両者の調停をはかるが、592年
大王はついに馬子の手の者によって暗殺された。
翌年、推古女帝が即位すると
厩戸は馬子に推されてやむなく皇太子となる。
だがこの聡明な皇子は、氏族制度の打破と
人間平等主義という破天荒な思想を持っていた…。
「聖徳太子④」

内容(「背表紙」より)
皇太子厩戸皇子は、つぎつぎに新しい政策を打ち出した。
斑鳩宮を造営、冠位十二階の制定
飛鳥寺の建立、遣隋使の派隋…。
さすがは皇太子、と蘇我馬子は表面上感心してみせたが
その胸の底には厩戸を傀儡として操ろうという
強烈な意志が潜んでいた。
厩戸の野望と挫折を描いた
古代史大河小説完結編。
漫画版・聖徳太子「日出処の天子」

山岸凉子さんの漫画「日出処の天子」全7巻
聖徳太子を主人公に描かれているが
なんとこちらの厩戸皇子は、超能力を持っている上
毛人(蘇我蝦夷)に心を寄せる設定で…BL!?
荒唐無稽な設定&BLが気にならない方なら
「日出処の天子」と、黒岩さんの「聖徳太子」を
読み比べてみるのも面白いかも?
私はどちらの作品もとても面白く読ませていただきました。