長野まゆみさんの「鳩の栖」と「紺極まる」


昨日に引き続き、長野さんの作品を紹介したいと思います。


長野作品のもつ、静謐で流麗な文章世界ここにあり!
言葉の美しさが醸し出す香りを、どうぞ御堪能下さい。


「鳩の栖」は五編からなる短編集で、
その中の後半二編、『紺碧』と『紺一点』の続編が
「紺極まる」にあたります。


まずは「鳩の栖」の五編

・『鳩の栖』
 表題作。
 雨音のはざまに響くその音に、病床の少年はなにを思うのか。
 「きみにも、叫びたくなることがあるの?」
 「…あるよ。この頃はとくに。」

・『夏緑蔭』
 「知っているよ。僕はいつも此処から君を見てた。
 こっそり隠れて。
 祖母と君の母さんが墓参りをしているあいだの御守り役さ。
 声はかけない約束だった。」

・『栗樹』
 「瓜はめば 子等思ほゆ 栗はめば 況して偲はゆ」 
  (山上億良)

・『紺碧』
 両親をはやくに亡くし、姉も亡くなったことで、
 義兄と二人暮らしになってしまった主人公。

・『紺一点』
 『紺碧』の続きです。
 「浦里は、おふくろよりも始末悪いや。」「なんで?」
 真木はそれに応えず、腰高の露台へ乗り出して、
 濠端をながめている…。


鳩の栖 BOOK

内容(「BOOK」データベースより)

水琴窟という、
庭先に水をまくと珠をころがすような安らかな音が鳴る仕掛け。

操がそれを初めて知ったのは至剛の家の庭だった。

孤独な転校生だった操を気遣ってくれた爽やかな少年至剛。

しかし、快活そうに見えた彼には、避けがたい死が迫っていた。

病床の至剛の求めるまま、操は庭の水琴窟を鳴らすのだが…。

少年たちの孤独と淡い愛情、
儚い命の凛々しさを描く表題作など珠玉の短編五編。




「紺極まる」の三編

・『紺極まる』
 高校を卒業し、東京で浪人生活を送り始めた真木の物語。
 予備校講師と同居することになった真木だったが…。

・『五月の鯉』
 真木、高校3年生のお話。
 天然の浦里と、いじらしい真木…さてどうなる!?

・『此の花咲く哉』
 「紺極まる」の後、大学に無事合格した真木と浦里の短編。


紺極まる BOOK

内容(「BOOK」データベースより)

「先生は真木のことを好きでしょう。
 なんとなく、そんな気がする」

―決して手に入らないものを希み続ける頑なな少年と
心を通わせようとする予備校教師、川野。

マンションの一室で同居することになった二人はすれ違い、
諍いあうが…。

瑞々しい長野まゆみワールド。




“希んでは不可ない。だけどほんとに欲しいものは_。”

長野まゆみが描く、哀しみさえも甘美な十代の日々。

「鳩の栖」では、いずれも中学生の少年が主人公で
「紺極まる」では、主人公が高校生、浪人時代、大学合格と
成長する過程を描いている。

少年のもつ硬質な存在感と
多感な少年期の、脆く儚い気持ちが静かに描かれた
美しい物語でした。






テーマ : 読んだ本の紹介    ジャンル : 本・雑誌
 2014_06_23




05  « 2014_06 »  07

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 - - - - -

プロフィール

検索フォーム

アクセスカウンター

最新記事

カテゴリ

QRコード

QR




PAGE
TOP.