
本作は、最初に本を読み、次にNHKのドラマ、
そして映画の順に観ました。
本書「八日目の蝉」、
幾度かブログに記事を載せようとトライしたけど…挫折
辛く重いテーマなので、
感想を語るにも言葉を続けることが出来ずにいて
でもいつも気になっていたので、
今回は頑張って記事にしてみようと思います。
※以下の記事、ネタばれ注意です。

内容を簡単に説明すると
[第0章〕
希和子は愛人・秋山宅に侵入し、
眠っていた赤ん坊(恵理菜)を衝動的に誘拐してしまう。
[第1章〕
赤ん坊に薫と名づけ逃亡生活を始めた希和子。
友人の家に身を寄せ、
次に立ち退きを迫られている女の家での滞在
そして女性だけで共同生活を送る「エンジェルホーム」へ、
その「エンジェルホーム」からも逃げ出し、
最後にいきついたのは小豆島だった。
しかし1枚の写真がきっかけで希和子は逮捕される。
[第2章〕
成人した恵理菜のその後を描いている。
恵理菜の前に、
かつてエンジェルホームにいたという女性が訪ねてきたことで
恵理菜は過去の出来事を振り返ることになる。
こうやって内容紹介のみを見ると、
断然希和子が悪い人ですよね。
でも本作はそこが辛いところなんですよ…。
本書を読んでいると、
希和子と薫を応援している自分がいるんです。
愛人秋山の妻が、希和子に投げつけた
“悪意を込めた言葉の暴力”がどうしても許せない。
もちろん秋山自身の優柔不断さが招いたこと
そんな男の愛人だった希和子も悪いのだけど…。
しょっぱなからこうなので、読み進めていくことで
さらに葛藤が生まれてくる。
一番の被害者は薫(恵理菜)ですが。
NHKのドラマ版です。

あらすじ(「NHK」より)
「私はもう、今までの私とは違う。私はこの子の母なのだ。」
不実な男との実らない愛。
男は女が母となることを否定するかたわら、
妻との間には子をもうける。
絶望の中、女はその子を奪う。
母になるとは、女として生きるとは…。
血のつながりを越えた母子の5年半にわたる逃亡劇。
現代的課題に真っ向から向き合うドラマです
(cast)
希和子⇒檀 れいさん
希和子の愛人・秋山丈博⇒津田寛治さん
秋山の妻・恵津子⇒板谷由夏さん
誘拐された恵理菜=薫⇒幼少時:小林星蘭さん
⇒成人時:北乃きいさん
映画版です。

内容(「Allcinema」より抜粋)
生まれてすぐに誘拐され、
犯人の女によって4歳になるまで育てられた秋山恵理菜。
両親のもとには戻ったものの、
もはや普通の家庭を築くことは出来なくなっていた。
やがて21歳となった彼女は、
妻子ある男の子供を身ごもってしまう。
恵理菜はやがて、
封印していた記憶と向き合うべく逃亡生活を辿る旅に出る──。
監督は『孤高のメス』で日本アカデミー賞を受賞した
成島出さん。
脚本は『サマーウォーズ』の奥寺佐渡子さんです。
(cast)
恵理菜⇒成人時:井上真央さん
希和子⇒永作博美さん
安藤千草⇒小池栄子さん
希和子の愛人・秋山丈博⇒田中哲司さん
秋山の妻・恵津子⇒森口瑤子さん
誘拐された恵理菜=薫⇒幼少時:渡邉このみさん
ドラマでは、希和子の視点を中心に、
映画では、成人した恵理菜を主人公に描かれていました。
基本的なストーリー展開は同じなのですが
細部では違っていたので、受ける印象も微妙に違います。
私は、先に見たのがドラマの方なので、
NHKドラマ版の印象の方が強く残っていますが
両作品とも、希和子が逮捕される間際に叫んだ言葉に
号泣しました。
映画の恵理菜役を演じた井上真央さんの演技
素晴らしかったです。
傷ついた心を持て余し、自らの生きる居場所を見出せない辛さを
見事に演じきっていました。
希和子を演じた、檀 れいさんと永作博美さん
二人の希和子、お見事でした。
おかげで、希和子に感情移入しすぎてしまい
ずっと泣かされっぱなしでした(T_T)
【映画:受賞】凄い受賞歴です!全て載せますね。
第36回報知映画賞・作品賞 / 主演女優賞:永作博美さん
2012年エランドール賞 プロデューサー賞:有重陽一さん(日活)
第85回キネマ旬報ベスト・テン・主演女優賞:永作博美さん
・助演女優賞:小池栄子さん
第66回毎日映画コンクール・女優助演賞:永作博美さん
第54回ブルーリボン賞・主演女優賞:永作博美さん
第35回日本アカデミー賞・最優秀作品賞・最優秀監督賞:成島出さん
・最優秀主演女優賞:井上真央さん
・最優秀助演女優賞:永作博美さん
・最優秀脚本賞・最優秀音楽賞・最優秀撮影賞
・最優秀照明賞・最優秀録音賞・最優秀編集賞
第3回日本シアタースタッフ映画祭 主演女優賞:井上真央さん
第35回山路ふみ子映画賞 新人賞:井上真央さん
第3回TAMA映画賞 ・最優秀新進女優賞:井上真央さん
・主演女優賞:永作博美さん
第24回日刊スポーツ映画大賞 新人賞:井上真央さん
第21回日本映画批評家大賞 監督賞:成島出さん
第66回日本放送映画藝術大賞・最優秀助演女優賞:小池栄子さん
・最優秀作品賞・最優秀脚本賞・最優秀音楽賞
・最優秀撮影賞・最優秀録音賞・最優秀音響効果賞
NHKのドラマ版でも
第27回 ATP賞テレビグランプリ2010にて、グランプリを受賞
受賞歴・あまりに多いので、文字を小さくしました^_^;