吉田修一さんの「橋を渡る」


今、この時の選択が
未来を変える――

大切な人の不倫、不正、裏切り
正義によって裁くか、見えないふりをするか
やさしさに流されてきた3人の男女が
立ち止まるとき――

新次元の群像ドラマ、ここに誕生。

~「帯紙」より~



橋を渡る

内容(「BOOK」データベースより)

ビール会社の営業課長、明良。
部下からも友人からも信頼される彼の家に、
謎めいた贈り物が?

都議会議員の夫と息子を愛する篤子。
思いがけず夫や、ママ友の秘密を知ってしまう。

TV局の報道ディレクター、謙一郎。
香港の雨傘革命や生殖医療研究を取材する。
結婚を控えたある日…

2014年の東京で暮らす3人の悩み、ためらい。
果たして、あの選択でよかったのか―





本書「橋を渡る」、構成が面白い!
ホームドラマ風に始まるのですが・・・
興味深く読ませてもらいました。
正しく“新次元の群像ドラマ”でしたよ(^^)

[目次]
【春―明良】
橋を渡る
下町に夕立つ
夏を踏む

【夏―篤子】
願いごと 叶うべし
男たちの言葉涼し
不感の湯につかる

【秋―謙一郎】
快哉を叫ぶ
太鼓に乱れる
鬼がくる

【そして、冬】




エピローグ


五つの章からなる物語ですが
[春・夏・秋]は2015年の出来事
[そして、冬で]は70年後の話
[エピローグ]2015年にもどる


不倫・収賄・自殺・殺人・生殖医療、等々
盛り沢山のエピソードをパズルのように散りばめ
各章にそれとなく絡めていく手腕は流石!
出来あがったパズルに納得です(^_^)v




テーマ : 最近読んだ本    ジャンル : 本・雑誌
 2016_08_28




吉田修一さんの「怒り(下)」



2014年早くも「ベストワン」の声!
衝撃のラストまでページをめくる手が止まらない。

『身近な人ほどなぜか大切にできない。
 上辺だけのソーシャルメディア交流に疲れた――
 誰もが陥りがちな人間関係の悩みへの「答え」がここに。
―津田大介(ジャーナリスト)

『何の涙なのか、自分でも全く分からない。
 ただどうしようもなく、誰かを心の底から信じてみたくなった。』
―季相日(映画監督)
                 ~「帯紙」より~




怒り 下

内容(「BOOK」データベースより)

愛子は田代から秘密を打ち明けられ、
疑いを持った優馬の前から直人が消え、
泉は田中が暮らす無人島である発見をする―。

衝撃のラストまでページをめくる手が止まらない。

『悪人』から7年、吉田修一の新たなる代表作!





読後の感想は、怒りというよりも、寂しく哀しい物語でした。

愛子、優馬、泉の前に現れた謎の男
偶然の出会いではあったけれど
愛子と優馬にとっては愛する者となり
泉にとってはその存在が癒しとなった、はずだったが…
でも、ふとしたことで疑いがどんどん膨らんでいき
信じていたものが崩れて行く
信じたいと思うほど、心の揺れは止まらず…

吉田さんの描く物語は、『悪人』でもそうでしたが
人物描写が素晴らしく、登場人物の痛みがダイレクトに伝わってくる

3つの場面展開に最初は戸惑いましたが
それぞれの場面での、しだいに緊迫していくシーン描写は圧巻でした。
流石です!吉田ワールド、堪能できました!

ただ、犯人の怒りが何だったのか?
憶測のような描写はありましたが…
その答えも描いて欲しかったかな



テーマ : 最近読んだ本    ジャンル : 本・雑誌
 2015_08_01




吉田修一さんの「怒り(上)」


惨殺現場に残された「怒」の血文字。

整形をして逃亡を続ける犯人・山神一也はどこにいるのか?


殺人事件から1年後の夏。
房総の漁港で暮らす洋平・愛子親子の前に田代が現れ、
大手企業に勤めるゲイの優馬は新宿のサウナで直人と出会い、
母と沖縄へ引っ越した女子高生・泉は田中と知り合う。
それぞれに前歴不詳の3人の男……。
             ~帯紙より~



怒り(上)

内容(「週刊文春WEB」より抜粋)

この物語は、罪のない夫婦を殺害した犯人が、
現場に「怒」という血文字を残したという不可解な事件から始まる。

そしてその一年後の夏、前歴不詳の男が三人現れる。
房総の漁港で暮らす親子が出会う「田代」。
ゲイのサラリーマン・優馬が新宿で出会う「直人」。
母と沖縄の離島へ引っ越した女子高生・泉が出会う「田中」。

一旦は彼らを受け入れた人々は、
やがて、目の前の男をあの事件の犯人と重ね合わせ始める――。

娘が風俗店で働いていた過去、自らの性的嗜好、米兵が島民に振るう暴力…
登場人物はそれぞれ、自分の生きる世界に対して違和感や怒りを覚えている。

前歴不詳の男との出会いで、その怒りがより浮き彫りになるのだが、
結局それをうまく表現できず、そんな自分にまた怒りを抱く。




「怒り」映画化されるそうです!
2010年に公開されて大ヒットとなった映画『悪人』
(妻夫木聡・深津絵里主演/アカデミー賞最優秀賞ダブル受賞)の
原作者・監督による新作映画『怒り』の撮影が8月に始動。

【作品概要】
作品名:『怒り』
原作:吉田修一「怒り」(中央公論新社刊)
監督:李相日 (『悪人』ほか)
配給:東宝 2016年秋全国劇場公開予定


吉田修一×李相日の『悪人』コンビ
『悪人』とても面白かったので、「怒り」も期待大です!!

本の感想は、下巻を読み終えてからUPしますね(^_-)-☆





テーマ : 読んだ本の紹介    ジャンル : 本・雑誌
 2015_07_27




吉田修一さんの「あの空の下で」


今、あなたはどこにいますか。
何をしていますか…。

山元周五郎賞・大佛次郎賞作家が描く「あの人」の記憶

ANA機内誌『翼の王国』連載 ~帯紙より~




あの空の下で

内容(「BOOK」データベースより)

初めて乗った飛行機で、少年は兄の無事を一心に祈っていた。

空は神様に近い分、願い事が叶う気がして―。

機上で、田舎の駅で、恋人が住んでいた町で。

ささやかな、けれど忘れられない記憶を描いた12の短編と、
東南アジアから北欧まで、
6つの町で出会いをつづったエッセイの詰め合わせ。

ANAグループ機内誌『翼の王国』人気連載をまとめた、
懐かしくいとおしい、旅情を誘う作品集。




1『願い事』
飛行機の中で兄の無事を祈ったことを、圭介は誰にも言わなかった。
考えてみれば、それ以来、飛行機に乗ると、圭介は願い事をしてしまう。

2『自転車泥棒』
…その日、会社で嫌なことがあった。自分でも大人げないと思うのだが、
総合職で入社した一年後輩の男性社員に「資料の作り方がなっていない」と
大勢の前で注意され、あまりの悔しさに
「どうせ私は一般採用の事務員ですから」と言い返してしまったのだ。

✈『エッセイ 旅たびたび バンコク』
「タイ」という言葉は「自由」を意味するらしい。
そして自由と名付けられた国の人々は、
人を許すことを美徳としているという。

3『モダンタイムス』
「この辺の方ですか?」男に聞いてみると
「…飛行機に乗るのが好きでさ」短い沈黙のあと、男はそう呟いた。
「たまにふらっと飛行機に乗って旅行するんだよ」と答える。

4『男と女』
パリ、ロンドン、アムステルダム。または、バリ、台北、上海など
行きたい順に並べたり、行く金もないのに、
料金を詳しく二人で調べたりした。
それだけで楽しかった。それだけで幸せだった。

✈『エッセイ 旅たびたび ルアンパバン』
ある雑誌の企画で、ベトナム・インドネシア・ラオスの中から選び
取材に出かけてくれないかと話をもらった。
迷わずラオスを選んでいた。…まずはバンコクへ飛び、
一泊したのち、ルアンパバンへ向かうことになった。

5『小さな恋のメロディ‐』
その年の夏、彼は高校総体のリレーメンバーに選ばれた。
一ヶ月後に沖縄で開かれる全国大会への出場権を手に入れたのだ。

6『踊る大紐育(ニューヨーク)』
ニューヨークは秋が一番美しいという。
小沢尚人がニューヨークに到着したのは、九月の下旬、
まさにこの街が一番美しい季節を迎えたところだった。

✈『エッセイ 旅たびたび オスロ』
今、一番好きなヨーロッパの街はと聞かれたら、
オスロと答えるかもしれない。
訪れたのは昨年、北欧四ヵ国を巡る駆け足の旅の中でだった。

7『東京画』
「横浜で式があるのに、どうして品川のホテルなんかとったの?
 横浜と東京って離れてるんでしょ?」
「式は横浜だけど、翌日、東京にいる高校の同級生たちと飲もうと思って」

8『恋する惑星』
そう。不真面目だったかもしれないが、私は、真剣に生きてきた。
そして、真剣に生きてきた私は今、十一歳も年下の彼氏と
ここ香港の地元の人でさえ、ちょっと敬遠しそうな小さな屋台で
予想外に美味しい雲呑麺(わんたんめん)を食べている。

✈『エッセイ 旅たびたび 台北』
台北の友人に物騒な名前のついた温泉施設があることを聞いた。
場所は陽明山。台北市内から車なら二、三十分で行けるらしい。
友人はそこの名前でこう教えてくれた。やくざ温泉。

9『恋恋風塵』
台北発花蓮行きの特急列車は、正午ちょうどの発車だった。
混んだチケット売り場でやっと片道切符を買えたのが発車の三分前
慌てて窓口を離れ、ホームを探す。
……「どこ、に、行く?」
慌てた様子の日本人旅行者を心配し、大昔に使っていた日本語で
話しかけてくれたのだ。

10『好奇心』
「あんたねぇ、世の中にはリリー・フランキーさんみたいな
 母親思いの人もいるのよ。ちょっとは『東京タワー』見習いなさい!」
着いたその夜、見知らぬ土地で心細い母親を置いて
「俺、今夜、サークルのコンパだから」と渋谷に出かけようとしたときには
さすがに我慢できずにそう言った。

✈『エッセイ 旅たびたび ホーチミン』
ホーチミンに到着したのは、深夜の十二時を廻ったころだった。
空港からホテルへ向かうタクシーの中、初めて見るホーチミンの街は
想像していたよりも淋しいものだった。

11『ベスト・フレンズ・ウエディング』
親友の結婚式で、私は生まれて初めて一人旅をする決心をしていた。
「あのね、我がまま言うみたいで悪いんだけど
 私、カーメルって海沿いの町に行ってみたいの。
 ガイドブックで写真見て、それで……」

12『流されて』
ここマレーシアの孤島に着いたのは午後の早い時間だった。
まだ日は高く、ハネムーンスイートに荷物だけ置くと
水着にも着替えず、私は尚也を誘ってビーチに出た。

✈『エッセイ 旅たびたび スイス』
山間の無人駅に降りたのは、私だけだった。
ピーター・ストーンズという建築家が建てた
「聖ベネディクト教会」が、この駅の近くにあるはずだ。


本書には、ANAの機内誌に連載された短編が収録されており
そのためか!?さらりと気軽に読める物語ばかりです。

旅にまつわる短編集なので、読みながら
旅人達の訪れた国に行った気分になれますよ(^_-)-☆




テーマ : 最近読んだ本    ジャンル : 本・雑誌
 2015_07_15




吉田修一さんの「ひなた」


4人の登場人物が視点を変えて
春・夏・秋・冬の同時期を語っている。


新堂レイ→有名アパレルの広報勤務。尚純の彼女。

大路尚純→就活中の大学生。兄夫婦と同居することに。      

大路桂子→尚純の兄嫁。やりて雑誌編集者。

大路浩一→尚純の兄。信金勤務。



それぞれの抱えている問題や秘密を
さらりとした文体で描かれているので
読後は思いのほか爽快でした。


言葉にできない不安感
都会に住む人々の空虚感
誰もが心の隅に抱えている思いを
あまり重くならずに描かれており
軽くささっと読めましたが…
内容を改めて思い返すと
かなりハードな内容だったんですよね…。



ひなた

内容(「BOOK」データベースより)
新堂レイは有名ブランドHに就職したばかりの新人広報。

彼女は、海で偶然再会した同級生の大路尚純と
昨年夏から付き合っている。

尚純は大学生。

彼が両親と暮らす文京区小日向の家で、
兄夫婦が同居をし始めた―。

それぞれが関わり合って淡々とした日常を紡ぎだす。

お互いに踏み込むことのできない「聖跡」を抱えながらも―。

四人の視点で「春夏秋冬」を描き出す。





それぞれの一年
数々の問題や変化もあったけど
お互いを思いあって、支え合う生き方は変わらない。

しみじみとた作品で面白かったです。





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 2015_03_05




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