隆慶一郎さんの「捨て子童子 松平忠輝」です。


松平忠輝は、徳川家康の六男でありながら、
生母の茶阿の局の身分が低かったことと、
生まれたときの面容が人並みはずれて醜かったことから、
家康が一目見て「捨てよ」と
生まれてすぐ長沼城主の皆川広照に預けられた。

徳川家の外で育ったことで、忠輝は何ものにも捕らわれない自由闊達な人間として育ち、その上、武芸をも極めていく。
しかも、「優れた能力を持った自由な民」である
傀儡子とも交わり、彼らから絶対的な信頼を勝ち取っていく。

およそ将軍家の子とは思えない自由奔放な好人物として
本書では描かれている。

本文の中で、
「『その時はその時のことさ』
 忠輝はそう思っている。
何事も先取りして考えたり悩んだりするのが大嫌いだった。
明日のことなど人間風情にわかるわけがない。
また分からないからこそ、生きるのが楽しいのではないか。
現実にぶつかってみて、知力と体力の限りを尽くして
対応すればいい。それで駄目なら死ねばいい。
忠輝にとって人生は極めて簡単で
楽しさに溢れたものだった。
予測や不安でその楽しさを消してしまう人間の気持ちが
分からない」と記されてある。

颯爽とした忠輝の生きざまは爽やかだ。


内容(「BOOK」データベースより)
「捨て子童子 松平忠輝(上)」捨て子童子 上 BOOK

捨て童子とは、この世ならぬ途方もないエネルギーを持ち、人を戦慄せしめる人物。
徳川家康の第六子でありながら、容貌怪異なため、
生まれ落ちてすぐ家康に「捨てよ」といわれた“鬼っ子”
松平忠輝の異形の生涯を描く、伝奇ロマン傑作。
新鮮な発想や史観、壮大なスケールで完結をみた、
著者最後の長編。


「捨て子童子 松平忠輝(中)」捨て子童子 中 BOOK

凛々しく成長した忠輝は、越後福嶋藩の大名となる。
福嶋藩のキリシタン化を企てる大久保長安には、
忠輝を将軍とする新体制をつくりあげる野望があった。
忠輝を狙う、兄の将軍秀忠と柳生宗矩。
途方もないエネルギーを持つがゆえに、
権力者たちの暗闘に巻きこまれていく忠輝の
波瀾の生涯を描く伝奇ロマン。
青年大名忠輝と秀頼の秘事。伝奇小説傑作。
凛々しく成長した松平忠輝を狙う、
兄の将軍秀忠と柳生宗矩、さらには藤堂高虎らの一隊。
伊達政宗・大久保長安らの防衛と
自由を求める人々の死を恐れぬ熱い献身!


「捨て子童子  松平忠輝(下)」捨て子童子 下 BOOK

大坂夏の陣、忠輝のもとに出陣命令が下る。
大坂城中のキリシタン牢人に、
キリシタンに理解が深い忠輝の軍勢をぶつけようという、
兄秀忠の底意地の悪い計画。
そして、父家康と兄秀忠の暗闘、宿敵柳生一族との確執。
途方もないエネルギーを持つがゆえ、
波瀾の生涯を送る忠輝を描く長編伝奇ロマン全三巻完結。



家康の死期が迫った「野風の笛」のシーンでは、
泣けて泣けて仕方がなかった。

家康は忠輝を守るため、最後まで決して忠輝に
会おうとはしなかったが、その代わりに、
織田信長、豊臣秀吉と伝わった「野風の笛」を
忠輝に与えたのである。

三巻からなる長編であったが、抜群の面白さで
あっという間に読み終え、最後の方になるにつれ
読み終えるのが惜しかったほどである。

歴史小説の醍醐味を存分に楽しませてもらえた
素晴らしい作品でした。



本書は、2003年に宝塚歌劇団花組により舞台化され、
漫画版(横山光輝:画)も出版された。






テーマ : 歴史・時代小説    ジャンル : 本・雑誌
 2014_02_24




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