浅田次郎さんの「一路(上)(下)」
小野寺一路、十九歳。
父の不虜の死を受け、御供頭を継いだ若者は、
家伝の「行軍録」を唯一の手がかりに、江戸への参勤行列を差配する。
いざ、江戸見参の道中へ―。
~「上巻」帯紙より~

内容(「背表紙」より)
失火により父が不慮の死を遂げたため
江戸から西美濃・田名部郡に帰参した小野寺一路。
齢十九にして初めて訪れた故郷では
小野寺家代々の御役目・参勤道中御供頭を仰せつかる。
失火は大罪にして、家督相続は仮の沙汰。
差配に不手際があれば、ただちに家名断絶と追い詰められる一路だったが
家伝の「行軍録」を唯一の頼りに、いざ江戸見参の道中へ!
江戸参勤は実に行軍である。
雪の和田峠越え、御殿様の急な病、
行列のなかで進む御家乗っ取りの企み。
着到遅れの危機せまるなか、
一行は江戸まで歩みきることができるのか。
江戸までの中山道で繰り広げられる悲喜こもごも。
~「下巻」帯紙より~

内容(「背表紙」より)
中山道を江戸へ向かう蒔坂左京大夫一行は、次々と難題に見舞われる。
中山道の難所、自然との闘い、行列の道中行き合い
御本陣差し合い、御殿様の発熱…。
さらに行列の中では御家乗っ取りの企てもめぐらされ―。
到着が一日でも遅れることは御法度の参勤交代。
果たして、一路は無事に江戸までの道中を導くことができるのか!
NHKBS時代劇「一路」

解説(「楽天エンタメナビ」より)
浅田次郎原作の時代小説を、永山絢斗主演でドラマ化。
時代小説の名手・浅田次郎の小説を原作に、
永山絢斗主演で連続ドラマ化するロードムービー時代劇。
突如、参勤行列の差配を任された19歳の青年・小野寺一路を主人公に、
お家乗っ取りの謀略と道中のトラブルを乗り越えながら、
父が命懸けで守った参勤交代を記した先祖伝来の「行軍録」を頼りに、
たった12日間で江戸を目指すさまを描く。
永山のほか、渡辺大、ミムラ、藤本隆宏、梶原善、松浦雅、忍成修吾、
矢島健一、上條恒彦、石黒賢、佐野史郎らが脇を固める。
NHKBSで放送されたドラマ版を先に観ました。
なので、原作を読みながらも、登場人物の顔が、永山絢斗さんをはじめ
渡辺大さん、忍成修吾さん、石黒賢さん、佐野史郎さんetc、浮かんできて
頭の中で、TVの再放送状態に^_^;
ただ原作とTV版ではかなり内容が変更されており
原作でのユウモアのある御殿様の心の声が、TVでは控え気味に…
それはもったいなかったですね。
原作は、うつけをよそおっている御殿様が
真面目一徹の御供頭・一路と「行軍録」のみを頼りに
お家騒動を抱えた難あり参勤交代に挑む爽快ロードムービー!
TV版では、お家騒動のドロドロが強調された暗く重苦しい内容に…
同じ物語が視点を変えることでこんなにも印象が変わるとは
原作とTV版は別物?と思えば、どちらも面白かったです。
TV版の波乱万丈は確かに次回が気になり楽しみでしたしね(^_-)-☆
でも、登場人物の役割まで変えてしまったのは、私的には???
山口晃さんの表紙カバー画、とてもステキです♪

上下巻並べたら一枚の絵に!!

小説を2度読み、映画は3回観ましたが
その度号泣するという、筋金入りの泣きの作品でした。
ここまで泣ける物語には、なかなか出会えません。
(「フランダースの犬」以来?)
浅田さんの作品は号泣する確率が高いですね。
短編の「ラブレター」でも、これでもかというくらい泣きました(T_T)

内容紹介(「文芸春秋BOOKS」より)
「死にたぐねえから人を斬るのす」
新選組で、ただひとり庶民の心を失わなかった吉村貫一郎の非業の生涯を描く浅田次郎版「新選組」
小雪舞う一月の夜更け、大坂・南部藩蔵屋敷に、
満身創痍(そうい)の侍がたどり着いた。
貧しさから南部藩を脱藩し、
壬生浪と呼ばれた新選組に入隊した吉村貫一郎であった。
“人斬り貫一”と恐れられ、
妻子への仕送りのため守銭奴と蔑まれても、
飢えた者には握り飯を施す男。
元新選組隊士や教え子が語る非業の隊士の生涯。
映画版「壬生義士伝」

監督は「陰陽師」の滝田洋二郎さん。
2004年・第27回日本アカデミー賞 最優秀作品賞
最優秀主演男優賞(吉村貫一郎:中井貴一)
最優秀助演男優賞(斎藤一:佐藤浩市)
優秀監督賞
優秀助演男優賞(大野次郎右衛門:三宅裕司)
優秀助演女優賞(ぬい:中谷美紀)
(内容紹介)
盛岡の南部藩出身の貫一郎は、
純朴な外見に似合わない剣術の達人であった。
一方で名誉を重んじ死を恐れない武士でありながら、
生き残ることを熱望し、
金銭を得るために戦った男でもあった。
全ては、故郷で貧困に喘ぐ家族のため。
脱藩までして新選組に入隊した彼には、金を稼ぎ、
愛する家族のために生き残る必要があったのだ。
時が過ぎ、大政奉還。
一転して賊軍となった新選組は、
官軍の制圧に遭い壊滅状態に陥る。
ところが、貫一郎だけは脱藩で裏切った義を
二度と裏切れないと、たったひとりで最後まで戦い抜く…。
中井貴一さんの演じた吉村貫一郎、
鬼気迫る凄まじい演技に感服です。

「歩兵の本領」かなりリアルに描いているのですが
さすが浅田さんですね、
自衛隊という閉塞感のある特殊な状況に置かれた人々を
リアルな表現のなかにも、哀愁や切なさ、
時には笑いもありで描がかれていて、
最後まで面白く読むことができました。
本作を読むまで、浅田さんが元自衛官だとは
知らなくて…、リアルさの謎が解けました。

内容(「講談社文庫」裏表紙より)
名誉も誇りもない、
そして戦闘を前提としていない、
世界一奇妙な軍隊・自衛隊。
世間が高度成長で浮かれ、
就職の心配など無用の時代に、
志願して自衛官になった若者たちがいた。
軍人としての立場を全うし、
男子の本懐を遂げようと生きる彼らを活写した、
著者自らの体験を綴る涙と笑いの青春グラフィティ!
「小説宝石」1997年~2000年連載。
それを纏めた本書を読んで
時代の移り変わりを感じました。
浅田さんが入隊していたのは、さらに前の時代なので
今の自衛隊を(その頃の隊員が)見たら
きっとビックリしますよね!?
現役自衛官の美しい歌姫が
テレビ出演する時代ですから。