西加奈子さんの「サラバ」


※ネタバレ有です!未読の方はスルーして下さいm(__)m


「サラバ(上)」

ひとりの男の人生は、
やがて誰も見たことのない軌跡を描いて、地に堕ちていく。
だが、いまはまだ、その少し手前。

その力の途轍もなさに、
まだ少しも気づいてはいなかった。

サラバとは何か。
    ~「帯紙」より~



バサラ(上)

内容(「BOOK」データベースより)

1977年5月、圷歩は、イランで生まれた。
父の海外赴任先だ。チャーミングな母、変わり者の姉も一緒だった。
イラン革命のあと、しばらく大阪に住んだ彼は小学生になり、
今度はエジプトへ向かう。
後の人生に大きな影響を与える、
ある出来事が待ち受けている事も知らずに_。




「サラバ(下)」

第152回 直木賞受賞作
本年度最大の衝撃と感動

凄かった。
西加奈子の全部がここにある。
          ―又吉直樹さん(ピース)

こんな作品を書かれた後、
自分は何を書くべきか。途方に暮れた。
         ―朝井リョウさん

TBS「王様のブランチ」
NHKEテレ「SWITCHインタビュー達人達」
朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、毎日新聞
共同通信、「anan」「ダ・ヴィンチ」など絶賛紹介!
                 ~「帯紙」より~



サラバ(下)


内容(「BOOK」データベースより)

父の出家。母の再婚。
サトラコヲモンサマ解体後、
世間の耳目を集めてしまった姉の問題行動。
大人になった歩にも、異変は起こり続けた。
甘え、嫉妬、狡猾さと自己愛の檻に囚われていた彼は、
心のなかで叫んだ。お前は、いったい、誰なんだ。




『第一章 猟奇的な姉と、僕の幼少時代』
僕はこの世界に、左足から登場した。

本書は、“左足から登場した”僕の独白で綴られている。

それにしても第一章のタイトルから度肝を抜かれ
書きだしの一行で心を鷲掴みにされる。
西加奈子さん、凄いです!

上巻の1頁を捲ったときすでに『この本は凄いことになるぞ!』
そう予感して読み進めていたのですが…?
読んでいるうちに思っていたのとは違う方向に?

もしかして最後まで僕の人生を読まなくてはいけないのかしら?

そうなんですよ!
本書は一人の人生の軌跡を徹底して描いている
ここまでの長編を僕のみの視点で描いたことに驚愕!

僕こと歩の姉が言った言葉
『あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ』

その言葉を、反発し憎んでいた姉に言われた歩
もちろん今更そんなこと言われても受け入れるわけない
そんな歩にそのことを受け入れさせる為にも
いや、そのことを読者に納得させる為にもこの長い物語が必要だった
そう思います。

読んでいて楽しい物語ではないけれど
心に何かずしっとくる物語でした。



テーマ : 最近読んだ本    ジャンル : 本・雑誌
 2015_12_30



西加奈子さんの「ふる」


20冊目となる西加奈子の本はまさに著者新境地作品。

今この瞬間生きていることの温もりと切なさが、
120%胸にしみわたる密度の濃さ。

著者にとってもトライアルでもあったこの渾身の書きおろし作品は、
日常の生々しさをやわらかく包み込み、
すぐ隣にある「奇跡」そのものに気付かされる、
始まりのための物語 。

「みんな自分が好きなんだ。
でも、誰かを愛してるって、強い気持ちがあったら、
その人を傷つけることは怖くなくなるはずなんだ」

----奇跡が空を舞う、書きおろし長編。
           ~紹介文より引用~




ふる

あらすじ(「河出書房新社」より)

池井戸花しす、28歳。
たまたま行った産婦人科で出会った2歳年上のさなえと、
2匹の猫と一緒に暮らしている。

数年前に職場不倫をしていたデザイン事務所を辞めた花しすの今の仕事は、
アダルトビデオへのモザイクがけ。

「いつだってオチでいたい」と望み、
周囲の人間に嫌われないよう受身の態度をとり、
常に皆の「癒し」であろうとして、
誰の感情も害さないことにひっそり全力を注ぐ毎日だった。

一方で、花しすには誰にも言っていない趣味があった。
電源の入ったICレコーダーを常にポケットにしのばせ、
街の音や他人との会話を隠し録りして、
そしてそれを寝る前にこっそり再生し、反芻すること。

くり返し花しすの前に現れる謎の男性、新田人生。

寝たきりのまま亡くなった父の母である祖母、
そしてその祖母を介護していた母。

モニター越しに性器を露にする見知らぬ外国人女優EVRYN。

そして常に傍らに漂う「白いもの」……

花しすが見つめ、他の誰かにいつも見つめられてきた自らの人生。
その記憶を反芻するように、彼女は何度もICレコーダーを再生する。

そんな時、レコーダーから突然声が響く。
「忘れんといてな」
それは花しすの母が、かつて不意に花しすに向けてつぶやいた一言だった----




読後の感想は、正直に言うと
『よくわからなかった・・・』

内容がというよりも、物語の核心がぼやけていて
表現しきれていないような?
作者自身は心から溢れ出てくる思いを
真摯に書き綴ったのだと思いますが
表現が難しく?その思いを私には掴むことができなかった

他の方の読書メーターを読むと、
『感動した』『壮大な物語でした』『心に響きました』etcとあったので
読み説くことができなかったのは、私の感性が鈍いからかも

以前読んだ、西加奈子さんの他の作品「きろいゾウ」は
とても心に響く作品だったので「ふる」も期待していたのですが
本書は私には難解でした^_^;



テーマ : 最近読んだ本    ジャンル : 本・雑誌
 2015_12_06




夏川草介さんの「神様のカルテ3」


「医者をなめてるんじゃない?
 自己満足で患者のそばにいるなんて、
 信じられない偽善者よ」

青年医師・栗原一止に訪れた、最大の転機!
                  ~帯紙より~




神様のカルテ3

内容(「小学館」より)

自己満足で患者の傍にいるなんて偽善者よ。

栗原一止は、信州にある「24時間365日対応」の
本庄病院で働く内科医である。

医師不足による激務で忙殺される日々は、
妻・ハルの支えなくしては成り立たない。

昨年度末、信濃大学医局からの誘いを断り、
本庄病院残留を決めた一止だったが、
初夏には恩師である古狐先生をガンで失ってしまう。 

夏、新しい内科医として本庄病院にやってきた小幡先生は、
内科部長である板垣(大狸)先生の元教え子であり、
経験も腕も確かで研究熱心。
一止も学ぶべき点の多い医師だ。
 
しかし彼女は治ろうとする意思を持たない患者については、
急患であっても受診しないのだった。

抗議する一止に、小幡先生は
「あの板垣先生が一目置いているっていうから、
どんな人かって楽しみにしてたけど、ちょっとフットワークが軽くて、
ちょっと内視鏡がうまいだけの、どこにでもいる
偽善者タイプの医者じゃない」と言い放つ。

彼女の医師としての覚悟を知った一止は、
自分の医師としての姿に疑問を持ち始める。

そして、より良い医者となるために、新たな決意をするのだった。




神様のカルテ3も、やはり涙なくしては読めない…
前回の反省から!?本書はちゃんと自宅にて読みました。(正解!)


小幡先生の「医者っていう仕事はね、無知であることがすなわち悪なの。」
その言葉が一止の背中を押すことになるのですが
著者自身が医者であるからこそ、重く突き刺さる言葉でした。
患者の立場としては、全ての医者がそう感じていると信じたいです。
無知であることに気づけない医者がいるとしたら怖いですよ…。


読みながら、医療関係者の方々の苦悩や大変さが伝わってきて
おもわず、『コンビニ受診を決してやりません!』と心の中で叫んでいる?


本書では、医療ミスや、診察拒否等も描かれ
全体的に、重苦しい空気が通奏低音のように流れており
一止ではないけれど頭痛がしてきそうに…!?
でも、魅力的な登場人物達の存在が
特にハルの妖精のような透明さが
物語に浮遊感、清涼感を与えてくれて
読後は思いのほか爽やかな気持ちになれました。


『神様のカルテ0』も是非読みたいのですが
夏川さん、3の続きも出版お願いしますm(__)m







テーマ : 最近読んだ本    ジャンル : 本・雑誌
 2015_08_31





【「八月六日上々天気」ー忘れてはいけないこと】は
2014年2月22日にUPした記事ですが

今日が終戦記念日ということと
8月9日の記事で、原爆投下による長崎の被害状況は載せましたが
広島の被害状況を載せていなかったので
ヒロシマの8月6日に触れなくてはとの思いで
「八月六日上々天気」ー忘れてはいけないことを、再UPします。





【「八月六日上々天気」ー忘れてはいけないこと】

長野まゆみさんの「八月六日上々天気」です。

12年前の八月六日に読んだ本です。
当時の読書日記に残した私の言葉。



昭和十六年、女学生珠貴にとって、
少女の目を愉しませる贅沢品が消え、
友人が軍人の妻となってゆく時代が始まっていた。

珠貴自身も、従弟の担任教師である市岡と見合いし、
慌しく結婚する。

夫の突然の兵役志願。
そして夫の実家である広島への疎開。

暗い時代の流れの中、次々と消えてゆく人と風景、記憶。

ささやかな幸福を愉しむ時をも惜しむように、
時は昭和二十年を迎えていた。

そして八月六日…。

昭和二十年、運命の日、従姉弟は…。

「今日広島へ行ったら、そこで写真を撮るといいのよ。
 あそこの街は、まだ焼けてないんだもの…」



『8月6日の今日読んだ…。
 日常がある日突然切断されてしまう。
 この本は、その悲しみを伝えてくれる…。』 



正直、細かい内容は忘れてしまった部分もあるけど
史郎と珠貴の淡い恋心が描かれていたのは覚えていて
それがまた切ないですね。


八月六日上々天気 BOOK

内容(「BOOK」データベースより)

昭和二十年八月六日。

広島の空は雲ひとつない快晴だった…。

結婚、夫の出生、広島への疎開。

暗い時代に運ばれてゆく女学生珠貴と
その従弟の史郎の運命と、生活を色どる
ささやかな幸福を描く中編力作。




ふと、1988年に日本テレビで放送されたドラマ
「明日」を思い出しました。

8月8日、原爆投下前日の、長崎の人々の
平和な日常生活を描き、原爆投下の光で終わる。

大竹しのぶさんが演じていた出産直後の母と子
聖母マリアのような眼差しで我が子を見つめる母、
そこに眩しい光が二人を包み込む…。
そこでドラマは終わるのですが
その後を思うと涙が溢れ出て止まらなかったことを
今でも覚えています。

原爆の悲惨さを
日常を描くことで
伝えきったドラマでした。





下記の記事は、広島市のホームページより引用しました。

【死者数について】
被爆当時、広島には約35万人の市民や軍人がいたと考えられています。
これは、住民、軍関係者、建物疎開作業に動員された
周辺町村からの人々などを合わせた数字です。
当時日本の植民地だった朝鮮、台湾や、中国大陸からの人々が含まれ、
その中には強制的に徴用された人々もいました。
また、少数の、中国や東南アジアからの留学生や、
アメリカ軍捕虜などの外国人も、含まれていました。

原爆によって死亡した人の数については、現在も正確にはつかめていません。
しかし、放射線による急性障害が一応おさまった、
昭和20年(1945年)12月末までに、
約14万人が死亡したと推計されています。

爆心地から1.2キロメートルでは、
その日のうちにほぼ50%が死亡しました。
それよりも爆心地に近い地域では
80~100%が死亡したと推定されています。
また、即死あるいは即日死をまぬがれた人でも、近距離で被爆し、
傷害の重い人ほど、その後の死亡率が高かったようです。


http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1111637106129/
詳細は、上記のURLをクリックして、
広島市のホームページへご訪問下さい。




戦後70年、その間私たちの国で戦争は起きていません。
それは平和憲法の力だと私は思っています。

安保関連法案を押し通そうとしている人たちは
その大切な憲法をも変えようとしている

私は安保関連法案にも
憲法改正案にも断固反対です!





テーマ : オススメの本の紹介    ジャンル : 本・雑誌
 2015_08_15




夏川草介さんの「神様のカルテ 2」



『医師の話ではない。
 人間の話をしているのだ。』

36万人に愛された感動のベストセラー
待望の新章!
あの「一止とハルさん」に、また会える。
              ~帯紙より~



神様のカルテ2 BOOK

内容紹介

医師の話ではない。人間の話をしているのだ。

栗原一止は夏目漱石を敬愛し、信州の「24時間、365日対応」の
本庄病院で働く内科医である。

写真家の妻・ハルの献身的な支えや、頼りになる同僚、
下宿先「御嶽荘」の愉快な住人たちに力をもらい、
日々を乗り切っている。

そんな一止に、母校の医局からの誘いがかかる。

医師が慢性的に不足しているこの病院で
一人でも多くの患者と向き合うか、
母校・信濃大学の大学病院で最先端の医療を学ぶか。

一止が選択したのは、本庄病院での続投だった (『神様のカルテ』)。

新年度、本庄病院の内科病棟に新任の医師・進藤辰也が
東京の病院から着任してきた。

彼は一止、そして外科の砂山次郎と信濃大学の同窓であった。

かつて“医学部の良心"と呼ばれた進藤の加入を喜ぶ一止に対し、
砂山は微妙な反応をする。

赴任直後の期待とは裏腹に、進藤の医師としての行動は、
かつてのその姿からは想像もできないものだった。
そんななか、本庄病院に激震が走る。





映画版「神様のカルテ2」



神様のカルテ2 MOVIE

解説(「シネマトゥデイ」より)

嵐の櫻井翔と宮崎あおいが夫婦を演じ、
ヒットを記録したヒューマンドラマ『神様のカルテ』の続編となる感動作。

今回はそれぞれの事情を抱えた3組の夫婦の関係を軸に、
悩んだり傷ついたりしながらも命に対して
真摯に向き合う人々の姿を紡ぎ出す。

前回同様櫻井と宮崎が夫婦にふんし、
藤原竜也と吹石一恵が主人公の親友夫婦として登場。

さまざまな苦難をくぐり抜け、
一層成長する登場人物たちの姿に勇気をもらう。




あらすじ(「シネマトゥデイ」より)

妻・榛名の出産を間近に控えた内科医の一止は、
一層仕事に励んでいた。

そんな折、大学時代の同期で親友のエリート医師辰也が
本庄病院に赴任してきて一止を喜ばせる。

だが、彼は勤務時間が終了するとすぐに帰宅し、
時間外の呼び出しにも全く応じない
辰也の医師としての態度が理解できず……。




(CAST)
栗原一止⇒櫻井翔さん

栗原榛名⇒宮崎あおいさん

進藤辰也⇒藤原竜也さん

砂山次郎⇒要潤さん

外村静枝⇒吉瀬美智子さん

東西直美⇒池脇千鶴さん

水無陽子⇒朝倉あきさん

男爵⇒原田泰造さん

貫田誠太郎(古狸先生)⇒柄本明さん

貫田千代⇒市毛良枝さん

進藤千夏⇒吹石一恵さん

屋久杉⇒濱田岳さん


監督⇒深川栄洋さん
脚本⇒後藤法子さん
撮影⇒山田康介さん
音楽⇒林ゆうきさん

テーマ曲「神様のカルテ〜Keep the light〜」サラ・ブライトマン



映画を先に観ていたので、
一止は櫻井翔さん、ハルは宮崎あおいさん
進藤は藤原竜也さんの顔が浮かんできて
読みながら、もう一度映画を観ているようで!?得した気分に(^^)

しかし、終盤部分を仕事の合間に読んでしまい大失敗!
涙が溢れ出て止まらず、大変なことになってしまいました^_^;
未読の方でこれから読まれる方は、自宅で読むことをお薦めします。


原作と映画では、多少設定の違いはありましたが
「先生は医師である前に人間です。」
「良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬だ。」
「治療がなくなれば、我々の役目は終わりなのか?」etc...
幹となるテーマにぶれはなかったです。


読んでいるだけも医療従事者の置かれている
過酷な状況が伝わってきて…
特に救急医療の現場は瀕死の状態?

進藤先生の言葉が胸に突き刺さりました。


「神様のカルテ 3」も、是非読みたいと思います。





テーマ : 最近読んだ本    ジャンル : 本・雑誌
 2015_08_10




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