恩田陸さんの「終りなき夜に生まれつく」


僕たちは、同じ種族だ。
永遠に終わらない夜を
生きていく種族。

のちに何件もの大規模テロ事件を起こし、
犯罪者たちの王として君臨する男、神山。
市民に紛れて生きていた彼を追う
雑誌記者が見たものとは―

強力な特殊能力を持って生まれてきた少年たちは、
いかにして残虐な殺人者となったのか。

『夜の底は柔らかな幻』で凄絶な殺し合いを演じた
男たちの過去が今、明らかになる。
~帯紙より~



終りなき夜に生まれつく


強力な特殊能力を持って生まれ、
少年期を共に過ごした三人の“在色者”。
彼らは別々の道を歩み、
やがて途鎖の山中で再会する。
ひとりは傭兵、ひとりは入国管理官、
そしてもう一人は稀代の犯罪者となって。


『砂の夜』
須藤みつきと軍勇司は
アフリカの紛争地帯で医療ボランティア活動中
ある閉鎖的な部族の集落に悪魔が現れたと言われ?
夜には出て行くとの約束でその集落を訪れたが
砂嵐が来て帰れなくなる・・・

『夜のふたつの貌』
軍勇司がまだ医学部1年生だった頃の話
勇司がボコボコにされた場所に葛城晃が通りがかり
そのことが切っ掛けで勇司は葛城晃に興味を持つ

『夜間飛行』
葛城晃が大学の最終学年を迎えた春休み
御手洗と真壁里子に出会い
入国管理局にスカウトされる
御手洗に誘われキャンプに参加した葛城は
キャンプの最終日にもう一人の参加者・神山と出会い・・・

『終りなき夜に生まれつく』
岩切和男がその男に目を留めたのは
人身事故で電車が止まったせいだった。
何が彼の視線をとどめさせたのか分からない。
が、和男はその男から目が離せなかった
その男(神山)は何者なのか・・・!?


本書「終りなき夜に生まれつく」は
『夜の底は柔らかな幻』に登場した葛城、神山、etcの若かりし頃の物語
『夜の底は柔らかな幻』は、まるでスプラッター映画を観ているようで・・・
出来るだけイメージを控えながら読んだ記憶が^_^;

両作品をこれから読まれる方は
出版順ではなく、時系列順の
「終りなき~」を先に読んで『夜の底は~』へ
の順で読む方が、物語を理解しやすいと思います。が
不気味さが漂う奇抜な面白さを楽しみたいのなら!?
断然出版順がお薦めですよ(^_-)-☆



テーマ : 最近読んだ本    ジャンル : 本・雑誌
 2018_05_15




恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」


俺はまだ、神に愛されているだろうか?
ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、
そして音楽を描き切った青春群像小説。
~「帯紙」より~



蜂蜜と遠雷


3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。
「ここを制した者は世界最高峰の
S国際ピアノコンクールで優勝する」ジンクスがあり
近年、覇者である新たな才能の出現は
音楽界の事件となっていた。
養蜂家の父とともに各地を転々とし
自宅にピアノを持たない少年・風間塵15歳。
かつて天才少女として国内外のジュニアコンクールを制覇し
CDデビューもしながら13歳のときの母の突然の死去以来、
長らくピアノが弾けなかった栄伝亜夜20歳。
音大出身だが今は楽器店勤務のサラリーマンで
コンクール年齢制限ギリギリの高島明石28歳。
完璧な演奏技術と音楽性で優勝候補と目される
名門ジュリアード音楽院の
マサル・C・レヴィ=アナトール19歳。
彼ら以外にも数多の天才たちが繰り広げる
競争という名の自らとの闘い。
第1次から3次予選そして本選を勝ち抜き
優勝するのは誰なのか?



恩田陸さんの「蜂蜜と遠雷」は
直木賞と本屋大賞をダブル受賞した作品で
本屋大賞では同大賞史上初となる2度目の大賞受賞です。
※最初の受賞作は『夜のピクニック』
ちなみに当ブログで最初に紹介した本が『夜のピクニック』なんです♪
http://bookmusicmovie.blog.fc2.com/blog-entry-1.html


「蜜蜂と遠雷」を読む前から
ついに『夜のピクニック』を超える作品登場!?と
期待度がどうしても高まってしまい…
でもこういうときって肩透かしにあう?という危険が!?
なのでヒートアップする心を押さえながら最初の頁を捲りました。


私、クラシック音楽が大好きでCDもかなり持っており
芳ヶ江国際ピアノコンクールでエントリーされている曲は
ほとんど聴いたことがある曲だったので
読む前からピアノの音が頭の中に響いている
その音を恩田さんはどう料理しているのか…


頁を捲りながら恩田陸さんの音の表現の多才さに
その表現の凄さに驚愕しました。
前年の本屋大賞作宮下奈都さんの『羊と鋼の森』も
音楽がテーマの物語で(ピアノ調律師の物語)
宮下さんのピアノの音色の描写にふれ
“ピアノが弾きたい!”衝動に駆られた記憶が
でも本書「蜂蜜と遠雷」では弾きたいではなく
コンテスタントの曲を聴きたい!!
思わず読みながらCDをかけようかな?と
でもCDを探すのが面倒で止めましたが…^_^;

メインの登場人物は4人いるのですが
それぞれの音楽の素晴らしさ美しさ感動を
言葉で表現して読者に伝える筆力は流石です
そして、コンテストのみに焦点をあてた物語が
これだけ読み応えのある作品になるとは驚きでした。
それでも私の中では『夜のピクニック』を超えることができず
いや面白さの種類が違うので比べられない!?

「蜂蜜と遠雷」を今度はCDをかけながら読んでみたいな!と思っています。

余談ですが、本書を読みながら何度も漫画『ピアノの森』が浮かび
一色まことさんの『ピアノの森』20巻までしか読んでいないので
「蜂蜜と遠雷」のお陰で続きが無性に読みたくなってしまった
全26巻なので続きを買いに行かなくては!


※「蜜蜂と遠雷」の世界を彩る音楽がアルバム化されます。
『蜜蜂と遠雷 音楽集』2017年5月26日リリース
詳細はコチラ⇒http://www.naxos.jp/news/nycc-27303-4




テーマ : 最近読んだ本    ジャンル : 本・雑誌
 2017_05_03




恩田陸さんの「タマゴマジック」


窓から謎の卵が降り
赤い犬が宙に浮かぶ――

東北の中心・S市で起きた奇怪な出来事
宇宙人襲来か、はたまた都市伝説か?

恩田ワールドが東北で炸裂する
仙台出身の著者が放つミステリー集

震災後の都市の苦悩を描く書き下ろし
『魔術師二〇一六』も収録

~「帯紙」より~



タマゴマジック

【目次】
・魔術師 一九九九
・ブリキの卵/この世は少し不思議(エッセイ)
・魔術師 二〇一六
・あとがき


「魔術師 一九九九」は、
(地の巻・人の巻・天の巻)から成る短編です。
(地の巻)で起こった事件の話を
(人の巻)で関根多佳雄が貝谷から聞いている
その事件の謎を(天の巻)で関根が読み説く
なかなか面白い構成の短編でした。
 

「ブリキの卵/この世は少し不思議」
(ブリキの卵・12編)は、河北新報で連載していた短編小説
仙台市内を舞台にし、写真部の撮った写真を
挿画の代わりに付けている。
(この世の少し不思議・11編)は、
別の時期に連載で書いていたエッセイ
数がちょうど合うので
サンドイッチのように互い違いに収録


「魔術師 二〇一六」は
(ブリキの卵/この世は少し不思議)のサンドイッチを
さらに「魔術師」で挟むために
「魔術師」を(魔術師一九九九)と改名し
(魔術師二〇一六)を書き下ろしで収録。
(魔術師二〇一六)に関根春が登場している
春は、(魔術師一九九九)に登場した多佳雄の息子
ちなみに二人は、恩田さんのデビュー作
『六番目の小夜子』の主人公・関根秋の父と兄です。


恩田さんの不思議ワールドに最初は…!?
普通の小説と思って読んだので
本編を読んでもつかみどころがなく…
いまいちかな?と思っていましたが
「あとがき」を読んで納得!
なかなか面白い試みでしたね(^_-)-☆



テーマ : 最近読んだ本    ジャンル : 本・雑誌
 2016_08_14




恩田陸さんの「消滅 VANISHING POINT」


この中にテロリストがいる!!

超大型台風が接近し封鎖された空港で、
別室に連行された11人(+1匹)。

この中に、テロを計画する首謀者がいるという。

それぞれが秘めた「事情」「思惑」は何か?
閉鎖空港での推理合戦が始まった!

~帯紙より~



消滅

内容(「BOOK」データベースより)

202X年9月30日の午後。
日本の某空港に各国からの便が到着した。

超巨大台風の接近のため離着陸は混乱、
さらには通信障害が発生。

そして入国審査で止められた11人(+1匹)が、
「別室」に連行される。
この中に、「消滅」というコードネームの
テロを起こす人物がいるというのだ。

世間から孤絶した空港内で、
緊迫の「テロリスト探し」が始まる!

読売新聞好評連載小説、ついに単行本化。





本書を読みながら
まるで舞台を観ているような錯覚に?


空港の入国審査で足止めされた11人と犬一匹
閉鎖された空間で次第に追い詰められていく人々の
人物描写、心理描写がお見事!


足止めされた人が11人だったので
萩尾望都さんの『11人いる!』をすぐに思い浮かべ
それならエンディングはタイトルの「消滅」のような
物騒な事にはならないのでは?と
勝手に決め込んで読んでいました。

突然のアラームと爆発音のプロローグも似ている?
『11人いる!』でのタダのような
透視少年?までもが登場してきて…
となるとキャサリンは『11人いる!』での石頭?
さすがにそれはないですね^_^;


かなりの長編ですが、とても読み易いので
一気に読むことが出来ました。

エンディングには賛否両論あるかもしれませんが
私としては、スッキリと終わってくれたので
良かったのかなと…グレーじゃなかった
恩田作品のほとんどが余韻を残したエンディングなので


ところで何が消滅したの?
そこは知りたかった!
読者の解釈にお任せですかね?

…やっぱり恩田さんでした
…多少余韻あり…^_^;


私の読みとり不足で消滅したことに気付かなかった?
そちらの可能性の方が大きいかも…^_^;

興味のある方は、是非読んで「消滅」を確認して下さい♪




テーマ : 最近読んだ本    ジャンル : 本・雑誌
 2016_06_12




山田正紀・恩田陸「読書会」


名作は、寿命が長い。
読んで語ろう、呑みながら!

☆本書に含まれているもの……
古今東西の傑作小説。大量かつ詳細な脚注(これすごいよ)。
若いのに詳しいねえ。忘却。豪華ゲスト。自作がテーマだと…。
アブノーマルな告白。本を読むために生まれてきたような方々。
子どものころからファンでしたっ!
のちの『COMICリュウ』編集長。柔軟な思考。
繊細にして豊かな感受性。作家生命の延長。自虐する作家。
ビール。ビールのシークワーサー果汁絞り。酩酊する作家。

~帯紙より~



読書会

内容(「BOOK」データベースより)

山田正紀と恩田陸。
多ジャンルで活躍する二人の人気作家が、
名作エンターテインメント小説を読みまくり、語りまくる。

題材は、半村良、アシモフ、小松左京、S・キングなど。
自分だったらこのテーマをどう描くか、
という実作者ならではの議論も白熱。

後半ではついに、それぞれの自作、『神狩り』、
“常野物語”シリーズも俎上に…。

読書家必読の、プロ作家によるブックガイド対談集。





恩田陸さんと萩尾望都さんの特別対談『原点との邂逅』と
萩尾作品『バルバラ異界』をテーマに語られた読書会
萩尾望都ファンの私としては、上記の二つの章が特に楽しみで
本書「読書会」とても興味深く読ませてもらいました!


もちろん他の作品・作家も凄いラインナップです!
目次を見ただけでワクワクしますよ(^_-)-☆


【目次】
まえがき…恩田陸
半村良 『石の血脈』『岬一郎の抵抗』
I・アシモフ 『鋼鉄都市』『はだかの太陽』
時間を超える小説を求めて
U・K・ル=グィン ≪ゲド戦記≫
沼正三 『家畜人ヤプー』
小松左京 『果てしなき流れの中に』
山田正紀 『神狩り』ゲスト:笠井潔
S・キング 『呪われた町』『ファイアースターター』
萩尾望都 『バルバラ異界』
『原点』との邂逅 特別対談:萩尾望都&恩田陸
恩田陸 ≪常野物語≫ ゲスト:笠井潔
あとがき…山田正紀



目次に挙げられている作家や本だけでなく
様々な作品が飛び出してきます!

光瀬龍、レイ・ブラッドベリ、手塚治虫etc…
映画『ブレード・ランナー』や『ハリー・ポッター』の話も

取り上げられた作品は未読の作品もありましたが
付随して語られる作品は読んでいたり
観賞済の映画だったりしたので
知らない作品についての語りも興味深く面白かった!

最後まで一気読みでした(^_-)-☆




テーマ : 最近読んだ本    ジャンル : 本・雑誌
 2016_05_05




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