長野まゆみさんの「ささみみささめ」


「ささみみささめ」とは?
面白い響きの言葉ですね。

短編集である本書の1話目のタイトルにもなっていて、
本文中で
『…身内にだけ通用する隠語である。
 これから、内緒話をするぞ、という合図なのだ。』
と説明している。


『色とりどりの白昼夢』~帯紙~
25篇の不思議な物語


読み始めは、エッセイ集のようでしたが
読み進めるうちに、なにやら不穏な空気感が漂ってきて

“ブラックユーモア?”
“背中をつららで撫でられたよう”
そんな気持ちにさせてしまう物語なのかなと思えば

“ビックリしたり”、“ほろりとさせられたり”と
様々な色合いを持つ万華鏡のような物語の数々に
ホント唸らされました。

何処にでもある日常のひとコマを
こうも心情豊かに描けるのか_。

短い物語で、これだけの複雑な気持ちにさせてもらえるとは
言葉の魔術師?長野ワールドに迷い込んで
また抜け出せなくなりました。



ささみみささめ

内容(「BOOK」データベースより)

日常のなにげないひとこと。

その言葉をふと拾ってみれば、
酩酊をさそう25の物語がゆらりとあらわれる。

不気味な話、怖い話、しみじみする話、苦笑いする話、不思議な話、にやりとする話、
呆然とする話、あざやかな話、びっくりする話、泣ける話、笑うしかない話、感動する話…。

百花繚乱!長野まゆみワールド。



今までに読んだ長野作品とは、
少し毛色が違うのかなと感じましたが…

恩田陸さんの本?と思って
読んでいる最中に著者名を確認したりね^_^;

でも最後まで読み終えたら
“長野さんらしさ”が、隠し味のように効いてきてきましたよ。







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 2014_07_10





長野まゆみさんの「鳩の栖」と「紺極まる」


昨日に引き続き、長野さんの作品を紹介したいと思います。


長野作品のもつ、静謐で流麗な文章世界ここにあり!
言葉の美しさが醸し出す香りを、どうぞ御堪能下さい。


「鳩の栖」は五編からなる短編集で、
その中の後半二編、『紺碧』と『紺一点』の続編が
「紺極まる」にあたります。


まずは「鳩の栖」の五編

・『鳩の栖』
 表題作。
 雨音のはざまに響くその音に、病床の少年はなにを思うのか。
 「きみにも、叫びたくなることがあるの?」
 「…あるよ。この頃はとくに。」

・『夏緑蔭』
 「知っているよ。僕はいつも此処から君を見てた。
 こっそり隠れて。
 祖母と君の母さんが墓参りをしているあいだの御守り役さ。
 声はかけない約束だった。」

・『栗樹』
 「瓜はめば 子等思ほゆ 栗はめば 況して偲はゆ」 
  (山上億良)

・『紺碧』
 両親をはやくに亡くし、姉も亡くなったことで、
 義兄と二人暮らしになってしまった主人公。

・『紺一点』
 『紺碧』の続きです。
 「浦里は、おふくろよりも始末悪いや。」「なんで?」
 真木はそれに応えず、腰高の露台へ乗り出して、
 濠端をながめている…。


鳩の栖 BOOK

内容(「BOOK」データベースより)

水琴窟という、
庭先に水をまくと珠をころがすような安らかな音が鳴る仕掛け。

操がそれを初めて知ったのは至剛の家の庭だった。

孤独な転校生だった操を気遣ってくれた爽やかな少年至剛。

しかし、快活そうに見えた彼には、避けがたい死が迫っていた。

病床の至剛の求めるまま、操は庭の水琴窟を鳴らすのだが…。

少年たちの孤独と淡い愛情、
儚い命の凛々しさを描く表題作など珠玉の短編五編。




「紺極まる」の三編

・『紺極まる』
 高校を卒業し、東京で浪人生活を送り始めた真木の物語。
 予備校講師と同居することになった真木だったが…。

・『五月の鯉』
 真木、高校3年生のお話。
 天然の浦里と、いじらしい真木…さてどうなる!?

・『此の花咲く哉』
 「紺極まる」の後、大学に無事合格した真木と浦里の短編。


紺極まる BOOK

内容(「BOOK」データベースより)

「先生は真木のことを好きでしょう。
 なんとなく、そんな気がする」

―決して手に入らないものを希み続ける頑なな少年と
心を通わせようとする予備校教師、川野。

マンションの一室で同居することになった二人はすれ違い、
諍いあうが…。

瑞々しい長野まゆみワールド。




“希んでは不可ない。だけどほんとに欲しいものは_。”

長野まゆみが描く、哀しみさえも甘美な十代の日々。

「鳩の栖」では、いずれも中学生の少年が主人公で
「紺極まる」では、主人公が高校生、浪人時代、大学合格と
成長する過程を描いている。

少年のもつ硬質な存在感と
多感な少年期の、脆く儚い気持ちが静かに描かれた
美しい物語でした。






テーマ : 読んだ本の紹介    ジャンル : 本・雑誌
 2014_06_23





長野まゆみさんの「新世界」シリーズ


とても不思議な世界観をもつ物語です。

本作「新世界」、SFファンタジーなのですが、
作者独特の造語?が
あらゆるところに散りばめられているので
ストーリーの細部を理解せずに読み進めることに…

ただ文体の流麗さが、先へ先へと導いてくれるので
5thまで読み終えることが出来ました^_^;

そうそう本書は、BLが苦手な方はスルーして下さいね。

長野作品のもつ特徴を全て注ぎ込んだ!?作品なので
『耽美的な作風、鉱石、機械、幻想世界だけに存在する少年、
そしてBL的表現、旧字体を多く用いた、流麗な文章。』等々…




「新世界1st」
新世界1st

内容(「BOOK」データベースより)
兄さん、ぼくはいつから独りなんだろう。
太陽(ソル)から2億3千万キロ離れた夏星(シアシン)。
謎の物質“ゼル”をめぐる闘いのなか、
“永い眼り人”はふたたび目醒めるか。
待望の巨篇・第一部。


(「MARC」データベースより)
"永い眠り人"であった彼らが
ふたたび目醒める時が訪れようとしていた…。
イオの手に残された謎の塊"ゼル"。
ゼルを狙う少年ハルとイオの兄シュイは
いったい何の目的で争うのか?




「新世界2nd」
新世界2nd

内容(「MARC」データベースより)
「小児病院からミンクという名の特殊な少年を連れ出せ。」
マザーワート植民政府からの指令通り、
収容施設に侵入したシュイを待ちうけるものは?
太陽から2億3万km離れた夏星で展開する、異世界物語。




「新世界3rd」
新世界3rd

内容(「BOOK」データベースより)
希んだら、あなたの手で殺してくれますか。
意識を回復したシュイの前にあらわれたミンク。
彼とイオとは別人なのか。


内容(「MARC」データベースより)
イオの放った紡錘(スピン)の直撃を受けて
意識を失ったシュイが目を醒ました時、
彼は何も覚えていなかった。
致命傷であった筈の傷も、なぜか消えうせていた。
死を望むシュイに、なぜ死を選ぶことは許されないのか?




「新世界4th」
新世界4th

内容(「MARC」データベースより)
もう二度とこのからだを「医療局」に使わせたりはしない…。
シュイの身代わりとなったジャウの運命は?
「母星化」を受けた種族とそうでない種族の行く先は?
最後の闘いがはじまる。




「新世界5th」
新世界5th

内容(「BOOK」データベースより)
ぼくは永いこと眠っていた、
目醒めるのを忘れるくらいに。
ついに完結。


内容(「MARC」データベースより)
シュイが躰の中へチュウブをさしこまれ目を醒ました頃、
ジャウは拘束されていた。
持ち出されたゼルは何処に?
ラシートの真の後継者は誰?
最後の闘いの中、いま"永い眠り人"が目を醒ます。



本書「新世界」シリーズを読んだのは、約12年前
なので…詳細な内容を覚えていなくて…

物語の世界に住む人は、両性を持つ?性を選べる?
独特の階級制度や、特異なジェんダーを持つ世界

そこで生まれたイオ、シュイ、ジャオ…
彼らの最後はどうなったのかな?
残念ながら覚えていない…
エンディングを確認するため、5thを再読しようかな

覚えているのは、不思議な物語だったな、ということだけなので^_^;

文体の美しさ、旧字体を使用するセンスに心惹かれた作品。
BL、OKですよ!と言う方
長野さんの流麗な文章の世界を、覗いて見ては如何でしょう!?





テーマ : 読んだ本の紹介    ジャンル : 本・雑誌
 2014_06_22




長野まゆみさんの「新学期」


十七歳年上の兄と同居することになった史生

転校先で出会った椋と密。
病弱な密は、サナトリウムへ…

兄は明彦は、実は史生の父であった。

エピソード的には暗くなりがちな物語だけど
読後は、思いのほか爽やかだ。


史生が転校先で出会った風変わりな少年・椋
そして、椋の人柄に触れることで、次第に心通わせ

少しずつ大人になっていく史生

兄への反発も、実の父であったと不意に知らされたことへも
すべてを自然に受け入れていく。

少年たちの心の触れ合いが
史生、椋、密、それぞれの救いとなる_。


長野まゆみさんの静謐な世界
瑞々しく美しい文体に心洗われます。


新学期 BOOK

内容(「BOOK」データベースより)

17歳も年上の兄・朋彦に引き取られることになった史生。

兄が教師を勤める学校に転校した彼は、
そこで朋彦を慕う二人の少年に、
少々手荒な歓迎を受ける。

朋彦を自分だけの兄にしたいのだという彼らに、
次第に史生は心を通わせるようになって…

限られた時を生きる十四歳の少年たちの心の交流を描いた、
感動の名作。



長野ワールド、いと美しきかな





テーマ : 読んだ本の紹介    ジャンル : 本・雑誌
 2014_05_29




長野まゆみさんの『凛一シリーズ』4冊を
 纏めて紹介したいと思います。


「上海少年」紹介の際にも少し触れましたが、
『凛一シリーズ』の4冊は、少年愛をテーマに描かれているので
BLが苦手な方はスルーして下さいね。

ただし、長野まゆみさんの作品は、
BLうんぬんよりも
文章表現、登場人物の心情表現の細やかさ
繊細な作風に魅力を感じられる作家さんです。

流麗な文章に惹かれました。


それでは
シリーズ1作目「白昼堂々」
2作目「碧空」
3作目「彼等」
完結編「若葉のころ」の順で
あらすじを紹介しますね。



「白昼堂々」
白昼堂々 BOOK

内容

1976年冬、由緒ある華道家元の、
若き後継ぎである 原丘凛一は、
従姉・省子の男友だちだった
アメリカンフットボール部のエース・氷川享介と出会う。

その邂逅が、やがて二人の運命を変えていくことに…。

冬から春、やがて夏へと移ろう季節の中で、
彼等の思いはどこへ向かうのか。

凛一の望は叶えられるのか。

少年達の切ない恋を描く。




「碧空」
碧空 BOOK

内容(「BOOK」データベースより)

高等部に上がって新聞部で写真を撮り始めた凛一は、
遠く京都の大学へ入学し
フットボール部で活躍を続ける氷川を思いながら、
ひとり過ごしていた。

そんなある日、有沢という謎めいた上級生が現れ、
凛一を写真のモデルにしたいと誘うのだった。

有沢に魅かれ、孤独な心を乱す凛一。

はなればなれになりながらも
お互いを求める少年たちの思いの行方は…。

好評シリーズ第二弾



「彼等」
彼等 BOOK


内容(「BOOK」データベースより)

東京で受験生としての日々を送る凛一。

京都の大学でフットボール部の主力選手として活躍する享介。

遠く離れていてもこの思いは伝わっているはず―
そう信じていた凛一だったが、
京都を訪れた折りに、享介の意外な姿を見てしまう…。

絡み合う周囲の人々の思惑、
行き違いやためらいをのりこえて、
ゆっくりと心は結ばれていく。

二度とない、ふたりの季節を描く、
好評シリーズ第三弾。




「若葉のころ」
若葉のころ BOOK


内容(「BOOK」データベースより)

京都の大学に進学し、二度目の春を迎えた凛一。

氷川と逢える平穏で幸福な日々がようやく訪れたかに思えたが、
三年ぶりに帰国した有沢が、
再び凛一の心に波紋を広げていくのだった。

そんなおり、
大学フットボール部の主将として活躍する氷川に関する情報を
外部に漏洩しているという疑いが凛一にかけられる。

ふたりはこのまま逢うことができなくなるのか…。
好評シリーズついに完結。



繊細な凛一の心情を、丁寧に描いているので
さらに凛一の切ない思いが伝わってくる。

登場人物ひとりびとりが魅力的で
自然に耽美的な世界へと導いてくれる
美しい純愛?物語でした。

BLが気にならない方
耽美的作風が好みの方には
お薦めの本です。






テーマ : 読んだ本の紹介    ジャンル : 本・雑誌
 2014_04_23




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